–個人技に力を入れるのは、何歳くらいまでが良いのでしょうか? またいつ頃から、戦術面に慣れさせる必要がありますか?
従兄弟や兄弟、母親ともよく話すんだけど、10歳くらいまでは楽しむことが一番重要さ。
聞いた話によると、10歳の若さで代理人がついている選手もいるらしいね。
それ自体は悪いことではないけれど……
僕がそれくらいの頃は、ゴールを決められて泣いていた歳だからね(笑)ただ僕はサッカーを楽しんでいたよ。負けた時は悔しくて泣いていたけど、それも含めて楽しんでいたんだ。
バビーフットボール(アルゼンチン伝統の子供サッカー)が楽しくてね。早くプレーをしたくて、学校でうずうずしていたよ。
–あなたはどのくらいの年齢で、サッカー選手としての意識が芽生えましたか?
U13の時、リーベルでかな。その頃は、朝4時に起きて7時にクラブに到着できるようにしていたね。8時30分から朝ご飯を食べて、9時30分にはグランドへ出ていく。
今考えると、この時期は技術面に力を入れていたね。このくらいの年齢からかな?
バビーフットボールのボールが5号球に変わったのは。大きな変化だったね。僕はずっとバビーの選手だったんだ。とても良い選手だったと自負している。
フットサルはバビーとは全く勝手が違い、僕は初心者も同然だったんだ。コントロール・シュート・強さの技術がないと痛感したね。
そこで技術面にフォーカスするようにした。練習は10時からだったんだけど、僕は毎日9時にはグランドに出て、ボールを管理しているディエゴにボールをせがんでいたね。(笑)
彼は左右の足でプレーできるようにと練習してくれたよ。自主練習の後、監督によくコントロールパスの練習もつけてもらってね。それがその当時、自分には必要だと考えていたんだ。
負けて機嫌が悪くなることはあったけど、監督は僕に「気にするな」と言ってくれたね。月日が経つにつれ、パスやボール運びがみるみると上達してきたんだ。
U14ぐらいの時だね。上の年代になるにつれ、色々なシュートや他のコントロールも会得していったよ。パフォーマンスの事を意識しはじめた時期でもあるね。
–「自分はプロになれる」あるいは「自分はサッカーで生きていける」といつ頃感じましたか?
リーベルに入った時だね。リーベル入団した時「ここより良いところなんてない!」と思ったんだ。リーベルに入団できたことは、特別なことだったからね。
憧れの場所だったわけだから、ベストを尽くそうと考えたよ。
そこからトレーニング漬けの日々さ。時間がないからシャワーも浴びずに学校へ通ってたりした。お母さんが作ってくれたお弁当を持ってバスに乗り、学校の教室でご飯を食べていたね。
これらは今でも鮮明に残っているよ。当時の監督にもすごくお世話になったな。監督は常に僕がより良い選手になるようにと願ってくれていた。
僕はチームのことを一番に考える人間だ。チームが一丸となり上手く物事が運べば、全員が良い結果となるだろう。サッカーはチームスポーツだから、11人で力を合わせてこそだよ。
–メッシとプレーするのは、どのような感覚ですか?チームメイトとして、また対戦相手としての観点からもお願いします
チームメイトとして彼とプレーできることほど良いことは、この世に存在しないよ(笑)。
その幸せは計り知れないね。彼と対戦するとなったら、最大限の集中力を発揮しないといけないね。ミスを最小に抑えないとだめだ。
現代サッカーでは最小限のミスでも、失点をしてしまうほどシビアになっている。サッカーはミスを0にはできないけど、それでもミスを最小限に抑えるため、集中力・努力・強度を保たないといけない。
現代サッカーには強度が欠かせないんだ。だから、その分努力しなければならない。
–強度を保つためには、フィジカルを鍛え抜かないといけませんよね。これらを得るには自分に厳しくないと叶わないことです。これは子供にとって、とても難しいテーマじゃないですか?
賢くないといけないよね。
–選手の中には心理学的なアプローチが必要な人もいます。マルティネス(アルゼンチン代表GK)はインタビューで言っていました。GKというポジションには心理学が必要だと。あなたはどうでしょう?
ポジションは違うけど、僕は小競り合いや言い合いが好きだ。しかしそれらをやるには賢さが必要さ。
エムバペとも言い合ったことがあるね。彼は僕よりスピードが速い。
そうなると、いつもよりずる賢くプレーしないといけないよね。彼より先に動き出すか、ちょっかいを出すかしないと、簡単にゴールを決められてしまうから。
他の選手相手でも同じさ。時には集中して、相手を妨害しなければいけない時もある。そういう判断力と、ずる賢さが大事なんだよ。これらはコンマ1秒たりとも迷ってはいけない。
エムバペに1秒でも与えてしまえば、ゴールまで簡単にいかれてしまうからね。
メッシに対してもそうだ。少しのスペースでも与えたら、ゴールを決めてしまうだろう。
だから彼らと対峙する時は、最善の対策をして挑まなくてはならないんだ。
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End(お読みいただきありがとうございました。完 )