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永里優季・独占インタビューPart2 『多くを学んだ海外生活』vol.1

女子プロサッカー選手、永里優季を知っているだろうか?

日本が世界を驚かせた、2011年FIFA女子ワールドカップ優勝と、UEFA女子チャンピオンズリーグ優勝を経験した、アジア人初のプレーヤーである。

2020年には、大人のカテゴリーでは世界初となる、女子選手の男子チーム入団というチャレンジをし、サッカー界に衝撃を与えた。

永里は現在、アメリカ女子リーグに所属するレーシング・ルイビルFCでプレーを続けながら、自身の公式アプリの運営やYouTube、アートなどの創作活動にも取り組んでいる。

今回のインタビューでは、キャリアを通してさまざまなチャレンジをする、彼女の素顔に迫った。

こちらは、全3回にわたるインタビューの1回目になります。

▼永里優季選手のプレー集▼

生年月日:1987年7月15日
出身地:神奈川県厚木市
所属:シカゴ レッド スターズ(アメリカ)
身長:168cm
種目・ポジション:FW
背番号:12

経歴:林サッカークラブ→⽇テレ・メニーナ→⽇テレ・ベレーザ→1.FFCトゥルビネ・ポツダム→チェルシーレディースFC→ヴォルフスブルク→ 1.FFCフランクフルト→シカゴ・レッドスターズ→ブリスペン・ロアー(loan)→はやぶさイレブン(loan)→レーシング・ルイビルFC

HP:https://yuki-nagasato.com/
Twitter:https://twitter.com/Yuki_Ogimi
Instagram:https://www.instagram.com/yuki_nagasato/
YouTube:https://youtube.com/c/YukiNagasato

Part1はこちらから


–永里選手は、人生でさまざまなチャレンジをされてきましたよね。初めてヨーロッパのチームに移籍した時や、アメリカへのチャレンジ、そして日本では、男子チームでプレーされています。このような大きな決断をされる中での、永里選手の判断基準を教えてください。

決断してきたタイミングによって、自分の中での判断基準や価値観に違いがあります。

今振り返ると、一貫して同じ目的で決断していたのではなく、その時の自分がどうしたかったのか、どこに辿り着きたかったのか、どういう生き方をしていきたかったのか、という自分の心境をベースに決断していました。

下調べなどはあまりせず、直感で選ぶタイプです。チャンスがそこにあったら、まずは一回掴んでみる、という生き方を大切にしています。

–直感で選ぶタイプなんですね。考えすぎずに飛び込んでみることが、うまくいく秘訣なのでしょうか?

もちろん、それが上手くいくこともあれば、上手くいかないこともあります。

ヨーロッパに移籍したての頃(ポツダム時代)は、かなり辛いことがありました。そこで移籍することもできたのですが、どんなに苦しくても自分の立ち位置を得ようと決めていたので、なんとかそれを乗り越えて結果を出すことができました。

その時期は、このチームで結果を出してから次のチームに移籍したい、という価値観だったので、まずは自分の居場所で結果を出してから次のステップを踏もうと考えていました。

–辛かったこととは、具体的にどのようなことでしょう?

一番辛かったのは、チーム内でいじめのような扱いを受けたことですね。

言語が話せなかったので、味方に言い返す、ということができませんでした。チームの練習中に、他の選手のミスを私のせいにされたりしたこと、がよくありました。

めちゃくちゃ悔しかったです。練習中にミスが起きた時、ミスした選手が私に怒鳴ってきて、「お前のせいだ!」と言われたり、「ちゃんとやれよ!」と他の選手のミスを押し付けてられたりしていましたね。

そのようなことが繰り返し続いた時に、言い返せない自分にも腹が立ちましたし、自分のせいにしてくる選手に対してもイライラしていました。

その時はほぼ毎日、練習の帰り道に泣きながら帰ったりしていたんですよ。

–どのような取り組みをして、その逆境を乗り越えたのでしょうか?

プロであるからには、結果を出して周りから認められる必要があります。

しかしその時は結果が出ず、試合にもあまり出れていなかった時期でした。なので、まずは周りの選手や監督から信頼されるよう、語学の勉強から始めましたね。

結果を出すには、味方からリスペクトされるような選手にならなければなりません。言語を理解し、問題なくコミュニケーションが取れるようになれば、言い返すこともできます。

それでやっと彼女らと対等の立場に立てます。段々と言語を理解できるようになるにつれ、結果もついてくるようになりましたし、チームメイトからもリスペクトされるようになっていきました。

–永里選手は、外国でさまざまな国籍の選手とプレーをされていますよね。欧米の考え方と日本の考え方の一番大きな違い、またアメリカ人やヨーロッパ人から、日本人が学べるところはありますか?

感情をピッチで表現することに関しては、欧米の選手の方が日本人選手よりも優れているのは感じますね。日本では、感情を表に出さないようにすること、が美しいとされていますよね。

「ピッチの中でより感情を表に出してプレーすること」に関しては、日本人がアメリカやヨーロッパの選手から学んでも良いのかなと思います。

しかし、急にそう変えろ、というのは難しいですよね。文化や前提条件が違うし、私たちは感情を表に出さないような教育を受けています。

もちろん日本には、日本の良さがあるし、真似しなくても対等に戦っていける部分もありますよ。ですが、サッカーは欧米の人が作ったスポーツです。だからこそ、技術や戦術やフィジカルといった表面的な部分ではなく、根本にある本質的な部分を欧米の人から学んでも良いのかなと思います。

–欧米でプレーする中で感じた「日本人の強み」とは、具体的にどのような性質だと感じますか?

まず日本人は辛抱強いというか、我慢強さがどこの国の選手よりもあると感じますね。

どんな局面になっても強く戦える精神性が大きな強みだと思います。さらに、日本人の空気を読む文化も、場合によっては強みになります。空気を読みながらプレーするのは、日本人の選手とプレーする時には当たり前だと思っていたのですが、そうではないことに海外でプレーして出て気づきました。それぞれが察知能力を持っていて、暗黙の了解を共有する、という能力に日本人は長けており、外国人にはないものだと感じました。

–それを踏まえて、日本人が海外のクラブで力を発揮するには、どのような役割が合っていると思いますか?

味方と味方を繋ぐことや、味方の良さを掛け合わせるような役割が、日本人には合っていると思います。いわば調整役ですね。日本人は、異なる意見の妥協点を探りながら、程よいところに落ちつかせること、さまざまな意見の間を取ることでチームのバランスを取ることができます。海外の選手には、それがなかなかできません。妥協は絶対にしないし、自分の意見を曲げることは絶対にしないので。その特徴をピッチの中でも存分に発揮することで、日本人ならではの価値を発揮することができると思います。

–永里選手は、ドイツ、イングランド、アメリカでプレーされ、さまざまな国籍を持つ選手とプレーされてきましたよね。新しい環境に適応するための秘訣を教えてください。

チーム内に一人、自分と波長が合う人を見つけることが秘訣です。そして、その人と良い関係を築き上げることが大切です。波長が合う人というのは、同じようなイメージを描いているし、タイミングなども合うということ。なので、波長が合う選手と良い関係性を築き上げることができれば、結果に直結するプレーを出しやすくなります。

その後に他のチームメイトの特徴を分析します。そしてその分析を基に、チームメイトがプレーしやすいプレーを、まずは自分が心がけてやっていく。そうやって私の場合は、「目立たなくても、チームに必要な選手」のポジションを取り、適応していきます。

To Be Continued…(vol.2は2021/12/12(日)投稿予定)


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